- コラム
製造業ものづくりの現場でのAI活用方法と活用事例3選
日本において製造業(ものづくり)の現場では、AIやIoTなどの導入が進んでいます。これからAIやIoTの導入を考えている方向けに、ものづくりの現場でのAI活用方法や事例を紹介していきます。
日本のものづくりの現場での課題
日本のものづくりの現場には、人材不足などの様々な課題があります。そして、AIを活用した場合、現場における課題を解決することが可能です。
例えば、日本のモノづくりには以下のような問題があります。
- 人材不足
- 品質の維持や向上
- 製品の付加価値が低い
特に、人材不足に陥ることによって品質や製品の品質など評価を得てきたものづくりが既に困難となっているのが現状です。人材不足は、単純にスキルを持つ人材が他の人材と代替が困難であることだけでなく、新しい人材が入っても熟練したスキルを保有できるとは限らないためです。AIに頼らないものづくりは、ほぼ人材が保有していたスキルに頼っていたといえるでしょう。
製造業におけるAIによる課題の解決
AIを活用することによって、機械学習やディープラーニングによって人材が保有しているスキルを代替することが可能となります。 例えば、製品の仕上がりの判断や組み立て・加工、検査なども AI によって行うことが可能となりました。これは、人間が行える作業を機械に置き換えているだけではありません。AI がデータなどから学ぶことによって高いスキルを保有する人材と同様の業務をこなせるというものです。
品質の維持や向上も AI を活用する場合には、人間と同等かそれ以上の結果をもたらすことができるといえるでしょう。そして、日本製品づくりにおいて最も課題とされている付加価値に対しては、 AIを活用することで新しいサービスを創出することも不可能ではありません。
例えば、AIで製品の故障や管理、カスタマーサポートなどのデータを集めます。そして、集めたデータから自動的に故障のタイミングを知らせる、どんな問い合わせが多いのかなどの分析も可能となる点は付加価値を付随する場合にはメリットにつながるといえます。
ものづくりの現場でのAI活用方法
ものづくりの現場では、AIを製品の開発・設計、生産・販売などに活用しています。では、具体的にどのように活用しているのか見ていきましょう。
開発・設計でのAI活用
開発・設計は、商品の流通において非常に重要な部分です。商品の根幹となる仕様や形、能力などもこの段階で決まります。
開発でAIを活用する場合、ユーザーのニーズや問い合わせなどから、ユーザーが何を求めているのかを検知することが可能となります。どのようにしてデータを集めるのかなどが課題となるものの、 AI を活用することで今までは気づけなかったサービスや製品のあり方に気づく事が可能となるでしょう。
そして、 AI を開発・設計で活用する場合、過去のデータを取り込むことによって、支援ツールとして応用することが可能です。例えば、高いスキルを持つ人材の設計などをデータ化することスキルの低い人材でも相応の設計が可能となる点は大きなメリットだといえます。
生産・販売でのAI活用
生産・販売では、既に多くの活用事例があります。例えば、製品の組み立てや搬送、加工などといった分野では、 AI によってデータを蓄積し、製品の仕上がりの判断や人間以上に正確な加工が可能です。
単純に機械と置き換えるわけではなく、 AI は学習を繰り返すため、人間と同様の判断を行うことができるようになります。また、自動的な判断で工場の稼働状況なども調節することもできるため、AIは様々な場面で活用できるといえるでしょう。
ものづくりにおいてAIを活用できる3つの条件
AI をものづくりに活用するためには、大きく分けて3つの条件をクリアしていく必要があります。では、その条件について触れていまきしょう。
課題・ニーズや目的が明確であること
ものづくりに AI を活用する条件では、課題やニーズを明確にする必要があります。例えば、明確な目的がなければデータを集めることも難しく、 AI による作業の自動化なども非常に難しいのが現状です。加えて、どのような条件でどのような判断をして欲しいのかなどの条件もAIに学習させなければなりません。
大量の良いデータがあること
ものづくりに AIを活用する条件の1つとして、学習のために大量の良いデータが必要となります。例えば、製品づくりにおける製品の出荷の判断などは、映像や画像での学習を繰り返す必要があります。そのため、自動判断を行うための良いデータが大量になければ、AIによる学習が困難になる可能性が高いといえるでしょう。
基本法則や原理をある程度理解していること
ものづくりに AIを活用する条件として、AIを活用したい分野の法則や原理を理解しておく必要があります。例えば、自動運転などの操作そのものはAIにとって難しくありません。しかし、周りの車の動きや街なかの人の動きなどをAIが全て判断することは難しいのが現状です。
ものづくりの現場でAIを活用している事例3選
ものづくりの現場で AI がどのように活用されているのかに焦点をあてていきます。
データの収集と業務の効率化が目的の場合
ものづくりの現場で AI を活用する事例の1つとして、データ収集や業務の効率化があります。AI化する場合には、
- どういったデータが必要なのか
- 業務のどこがAI化できるのか
などの検討が必要です。 そのうえで、データを収集し、学習を繰り返します。そして、学習を重ねたAIは更にデータを収集しつつ、業務の効率化を図ることができるでしょう。
ロボットのAI化による生産性の向上の場合
ものづくりの現場でのAI活用事例として、ロボットとAIを組み合わせた生産性向上を狙う事例もあります。例えば、AI化された機械が学習を繰り返すことによって、
- 形が違うボルトを選択しても自動的な判断で正確に製品を組み立てる
- 隣の機械の故障を異なる機械が察知しフォローする
などの体制にAIが活用できる可能性があります。
機械の異常検知、故障予知
ものづくりの現場では、異常検知や故障予知も AI を活用する事例として多く挙げられます。製品作りにおいて機械の異常や故障は大きな痛手となります。修理に要する時間や労力はコストが増大するだけでなく、生産性の低下にもつながるためです。
データを収集・分析することで、製品を生産する機械の異常検知や故障予知にAIを活用しようと取り組む企業も多いです。
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