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(前編)生産スケジューラ導入が90%失敗する理由 ~生産計画からはじめる現場DX~

製造業の現場で必須となる生産計画。この分野で近年注目されるものが、生産計画を自動立案する「生産スケジューラ」です。しかし、その導入には数多くのハードルが存在します。

本シリーズでは全3回にわたり、「生産スケジューラの導入効果」から「90%の企業が導入に失敗する理由」「ハードルの乗り越え方」までを解説します。導入の際に思わぬ失敗をしないためにも、ぜひご覧ください。

本記事の内容は、2021年12月23日開催のオンラインセミナー『生産スケジューラ導入が90%失敗する理由 ~生産計画からはじめる現場DX~』を元に作成されたものです。本記事は、前編です。

中編はこちら:
(中編)生産スケジューラ導入が90%失敗する理由 ~生産計画からはじめる現場DX~

後編はこちら:
(後編)生産スケジューラ導入が90%失敗する理由 ~生産計画からはじめる現場DX~

生産計画とは

生産計画の業務については、現在多くの製造業企業様から「作成業務を効率化したい」「属人化の解消、ベテランの方しかできない状況を解決したい」という声をお聞きします。そのため近年は、こういった課題を解決すべく、生産計画を自動立案する「生産スケジューラ」に注目が集まっています。

生産計画を立案する目的

そもそも生産計画はなぜ立案するのか?
「納期を守るため」。これも間違いではないですが、より正確には「利益を最大化するように1番効率良く生産するため」に生産計画は立案されます。
これは「QCD(※1)を最適に管理するため」とも言い換えられます。

企業の生産活動において、「生産計画」は大きな役割を果たす

製造業の一般的な業務フローにおける、生産計画の位置付けを示したものがこちらです。

図の上部に外部からの需要面が、下部に内部からの供給面が位置しており、生産計画はそれらの間に挟まれて存在します。
この図からもわかるように、企業が利益を最大化するには「生産の最適化」が重要であり、生産計画は大きな役割を担います。

また「生産の最適化」という言葉は、経済産業省 ものづくり白書 においても、「サプライチェーン全体に対しても良い影響を与えるもの」との趣旨で、その重要性が触れられています。

参考:経済産業省 / 2017年版ものづくり白書概要

生産計画立案における課題

重要な役割を果たす生産計画は、ほとんどの製造業企業様で作成されています。一方で、その業務は決して簡単とは言えず、計画マンや工程マンと呼ばれる、職人のような方々も多く存在しています。
このように生産計画の立案は、重要にもかかわらず対応できる人材が限られる業務なのです。

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生産計画の立案が難しい理由

難しい理由 ① 生産現場では目まぐるしい変化が起こる

生産計画の立案が難しい理由は、2つあります。1つ目は日々の数え切れない変化に対応していく必要があることです。

生産計画において、まず外部の需要面では、「販売計画が当たらない」「需要予測が当たらない」「営業から毎日納期調整が発生する」といったことが起きます。一方で、内部の供給面では、「原料や資材の納期遅れ」「急な設備・品質トラブル」等といったことが日々発生します。

このように、生産計画は日々発生する多くの変化にすり合わせる必要があります。こちらが生産計画立案業務が難しい理由の1つ目です。

難しい理由 ② 企業の内外に精通する必要がある

2つ目の理由は、最適な製造条件がそれぞれ異なるので、企業の内外に精通する必要があるという点です。

先ほどと同様に、外部と内部で考えます。例えば、外部の需要面では「この製品は、在庫◯ヶ月分を持ちたい」「このお客様はリードタイムを短くしたい」といった特有の要望が上がってきます。内部の供給面では、各社の工場には、「特別な工程間の段取りがある」「設備や人について、特別な考慮が必要」といった特定の条件やノウハウがあります。

すると、会社や工場ごとに最適な製造条件は異なるので、生産計画の担当者は、会社の外部(需要)・内部(供給)の各部門に非常に精通する必要が出てきます。結果として、生産計画立案業務が属人化するという問題が発生します。

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生産スケジューラで解決?!

  • 数えきれない日々の変化をすり合わせる必要がある
  • 会社によって最適な生産条件は異なり、属人化しやすい

このような理由から、生産計画の業務は難しく、また俗に「KKD」と言われる、経験・勘・度胸が必要な業務だと言われます。
そして、こういった悩みを軽減するために活用されるものが生産スケジューラです。

生産スケジューラとは

生産スケジューラの役割

生産スケジューラは「どの製品が、いつまでに、何個」というオーダー情報を入力すると、設備やスタッフなどの最適な割付け計画を立案するシステムです。様々なベンダーがシステムを提供しています。

下図のガントチャートはエクセルで作成されていますが、生産スケジューラ上においても、このようなガントチャートが画面上に表示されます。

生産スケジューラ導入で見込める効果

生産スケジューラの導入によって、見込まれるメリット・効果についてまとめました。
計画の自動作成を行うサービスなので、以下の点は直接的な効果として、比較的すぐに表れます。

  • 計画作成の効率化
  • 計画作成の標準化
  • 計画サイクル短縮
  • 計画精度向上
  • 迅速な計画変更対応
  • 計画の見える化
  • 工程情報の共有化 …等

加えて、生産スケジューラによる生産計画の最適化は、生産計画以外の業務にも幅広く効果が波及します。例としては、以下のような効果が挙げられます。

  • 原材料手配の適正化
  • スループットの向上
  • リードタイム短縮
  • 在庫削減
  • 納期遵守
  • 生産工程の整流化
  • コミュニケーションの活性化 …等

生産スケジューラの影響範囲は、生産計画を作成する生産管理部門だけではありません。生産スケジューラは、営業や購買、工場の製造といった各部門にも良い影響が与えられるサービスと言えるでしょう。

そんな生産スケジューラだが…

しかし、実際には製造業企業様において、この生産スケジューラの導入はなかなか進んでいない実情があります。導入にはたくさんのハードルが存在します。さらに、実際に導入した企業様の中でも90%が失敗しているという独自の調査データもあります。

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そこで、次回の記事では「生産スケジューラ導入が90%失敗する理由」について、詳しくお伝えします。
本記事では「生産計画の重要性」や「生産スケジューラ導入の効果」をご紹介しましたが、生産スケジューラ導入時には、陥りやすい失敗パターンとその理由が存在します。失敗しないツール導入のために、ぜひご覧ください。

※1 QCDとは、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字。製造業における評価指標のひとつです。