基準工数の見直しと実績管理で叶える生産計画DX
- 株式会社 河村工機製作所様
- 金属製品・加工
- (会社規模:100名以上500名未満)
- 金属加工(プレス、溶接)
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課題
- 基準工数が定まっていなかったことによる計画の不明瞭さ
- 各部署ごとに生産計画のフォーマットがバラバラで、統一管理が困難
- 生産計画の立案工数が多大になり、製造作業に従事する時間が減少
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解決策
- 基準工数の設定と実績データを基にした「実績会議」の開始
- 最適ワークスの導入による生産計画作成の効率化
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効果
- 生産計画作成のデジタル化による効率化と時間短縮
- 生産計画の見直しによる、製造自体の効率化と無駄の削減
株式会社河村工機製作所(以下、河村工機製作所)は、愛知県名古屋市に本社を置く、金属板をパイプ状に加工し、溶接する「板巻きパイプ」を主力とする金属プレス部品加工メーカーです。実績管理と基準工数の見直しをきっかけに、「最適ワークス」を活用した生産計画のデジタル化に取り組んでいます。
本記事では、河村工機製作所の藤本氏にインタビューし、その導入背景や生産計画のデジタル化に期待することについて伺いました。(以下、敬称略)
生産計画のDXのきっかけは「実績会議」
藤本:河村工機製作所は現在、自動車関連の仕事を中心としています。愛知県の生産拠点は阿久比工場に集約化しています。従業員は全体で約180名、そのうち阿久比工場には約120名が集中しています。
遡ってみると最初のきっかけは、ペーパーレス化の流れで生産実績を紙の伝票からシステム管理に移行したことでした。このシステムでは、作業者がQRリーダーとタブレット端末を持ち歩き、かんばんに付いているQRコードを読み取ってリアルタイムに実績を収集します。QRコードには製品の品目や数量の情報が含まれており、読み込みタイミングを起点に工程間での作業時間が算出できます。
この副産物として、何をどれくらいの時間で作っているかがデータで見えるようになり、そのデータを利用する価値があると判断して「実績会議」を始めました。
実績会議の中で、製造に関わる時間が非常に少ないことが見えてきました。事情を聞くと『計画を立てるのに手間がかかって、製造に時間を割けていない』という話が出てきました。これが課題として浮き彫りになったことで、生産計画の効率化に対する費用投資に前向きになりました。
経営目線で一番の問題は、不明瞭な基準工数
藤本:8年程前に私が入社した頃には、そもそも基準工数がありませんでした。作業時間が定量的ではなく、何をどれだけ時間かけて作っていいか、現場の職制の肌感で決まっていて、各部署の人員配置も現場職制に言われるがままでした。
そこで、品番の立ち上げ時にビデオ撮影をして基準工数を決め、実績データと照らし合わせてチェックできるようにしたのが、最も大きな改善点です。
不均質な計画は、現場の不満につながる
藤本:実績が見れるようになってすぐ、基準工数に基づいた計画を立てるよう現場に指示しました。しかし、部署が多岐にわたり、各現場のフォーマットもバラバラなので、「基準工数の通りの計画であるか」「計画通りに製造活動できているか」など、我々もチェックできずにいました。
会社としての基準が揃っていないと計画の“ゆとり”に差が出てしまい、作業員の不公平感にもつながります。全体を一元管理したい、という思いがずっとありました。
当時、まずグループリーダー制を導入して生産計画を立てていましたが、不平不満がグループリーダーに集中してしまいました。「こんな計画できるわけがない」という声も上がっていました。作業者にとっては、基準工数に基づいていると言われても理解しがたかったようです。むしろ機械的に立てられた計画の方が、変に人員攻撃にならないという利点もあります。
最適ワークスの導入効果や期待
藤本:計画の難易度は、部署によって異なります。阿久比工場では10部署に分かれて生産計画を立てています。品番数が少ない部署ではエクセルでも十分に対応できると思いますが、品番数が多い1課と2課は、システムを導入しないと難しいと感じていました。
現在、最適ワークスを導入している1課では、計画作成の時間が短縮されました。
計画立案の効率化以上に期待しているのは、2課での導入による製造自体の効率化です。これまで計画すらほとんどない状態で生産を行っていたため、最適ワークスの活用により、無駄なものを作らない、サイクルタイムを守るなど、製造自体の動きを改善できるのではないかと期待しています。
今後の展望
藤本:まずは、生産計画のデジタル化をやり切ることが目標です。現在は1課のテスト運用が始まり、2課の導入も進めている段階です。1課と2課で全体の50%ほどのオーダーを占めています。次の展開として、現場で使っている紙データをタブレット内で処理できるようにしたいので、帳表類管理は次のステップとして検討しています。
自動車関連がメインであることは変わりませんが、先行きの不透明性を考えると、一つの分野だけに依存せず、二の矢・三の矢を持つ必要があります。現在の体制から脱却するためにも、新たな取引先の開拓を模索し続けています。
今後は、収益の上がる工場にするためにも、生産のスマート化にさらに注力していきたいと考えています。製造業の原価率における人件費の高さとその高騰を考慮すると、スマート化は必須です。当社では自動化設備の導入に積極的に取り組んでいますが、それに伴い大型機械が増加し、工場スペースの狭さが課題となっています。機械の兼用を進め、少ない設備で効率的に収益を上げられる体制を目指したいと考えています。
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企業情報
株式会社 河村工機製作所
本社所在地:名古屋市緑区鳴海町太鼓田4-1/ 代表者:代表取締役社長 藤本 徹/ 設立:1952年/ 従業員数: 184名/ 事業内容:自動車部品(プレス・溶接)、自動車部品試作、プレス金型設計・製作