導入事例
Case study

個別受注に対応できる生産スケジューラで、生産ライン全体の流れを把握したい

  • 紙加工品メーカー
  • 紙・パルプ
  • (会社規模:50名以上100名未満)




  • 課題
    • 工程ごとに生産管理が行われており、生産ライン全体のスケジュールを把握できない
    • 生産全体のスケジュールが不透明なため、納品時期の正確な予測ができない
    • 生産現場の改善の必要性は感じているが、個別受注のためツール導入が成功するか不安

  • 解決策
    • 生産スケジューラ導入で、生産全体の工程の流れを見える化
    • 直感的なマスター設定ができる機能「工程デザイナー」を使用し、個別受注の数多くの製造条件を設定

  • 効果
    • 工程ごとに分断されていた計画がまとまり、生産ライン全体のスケジュールを把握できるように
    • 納品時期の見通しが立つようになり、より正確な受注の判断ができるように
    • 納期遵守率の向上により顧客からの信頼度・競争力強化が見込める

背景と経緯

ある紙加工品メーカーでは、工程ごとの生産計画が紙で管理されていました。そのため生産全体のスケジュール感が見えず、注文を受ける段階で納期の判断が難しい現状がありました。工場の生産統括担当者は、この現状に課題感を抱き、生産スケジューラ導入の検討を開始しました。

工程ごとで生産計画が管理され、生産全体のスケジュール感が見えない

また、この工場では個別受注での生産形態をとっています。個別受注生産では、生産計画作成時に考慮するべき諸条件が多く存在します。そのため、制約条件を整理してシステム化する難易度が高く、導入費用が大きくなりがちであり、生産スケジューラ導入が難しい傾向にあります。

検討した結果、制約条件の設定・追加が容易にでき、費用感からスモールスタートで始められる点を評価して、最適ワークスの導入を決定しました。

生産ライン全体の生産計画を見える化

生産スケジューラの導入により、工程ごとだけでなく、生産ライン全体での生産計画を把握できるようになりました。また、工程ごとの生産計画についても、使用する設備や担当するスタッフまで明確になり、より詳細に生産現場のスケジュールを把握できるようになりました。

生産スケジューラ導入による効果は、生産現場だけでなく、会社全体への効果の波及も見込めます。たとえば、販売部門では、これまで以上の精度で生産の予測が立つため、商談の際に注文を受けるか否か、納期に間に合うかどうか、といった判断がつくようになります。
これまでは、納期が近づいてきたタイミングで製造が間に合わないことが判明し、顧客に納期調整をお願いすることも発生していました。今回の導入により、納期遵守率が向上。顧客からの信頼度・競争力強化も期待できます。

「工程デザイナー」機能により、個別受注でもマスター設定が簡単に

個別受注の場合、生産計画作成時に考慮する制約条件が多く、また現場で暗黙知化している条件も多いことから、マスターデータ(※1)の設定が難しいという特徴があります。

この難関に対し、最適ワークスには、直感的にマスターデータを設定できる「工程デザイナー」の機能があります。今回の事例では、工程デザイナーを利用し、これまで社内で使用していた加工依頼書に記載された情報をもとに、非エンジニアである現場担当者が自らマスターデータを設定しました。加工依頼書には、案件ごとの受注内容によって、発生する工程や工数などの情報がまとめられています。

※1 マスターデータとは、生産計画を立案する上で、あらかじめ登録しておく情報(製品、工程、設備、スタッフ情報など)のことです。マスター設定・更新には、深い業務知識とシステム理解の両方が必要であり、生産スケジューラ導入の際にハードルになることが多いです。

工程デザイナーでは、直感的な操作で工程情報を設定できる

最適ワークスの導入と運用は、スカイディスクの専任担当がサポート(※2)します。今回の事例でも、現場担当者が、専任担当と2人3脚で導入を進めました。生産改善に意欲的な現場担当者は、専任担当と密に連絡を取り合いながら、積極的にツールを触ることで使い方を習得していきました。数ヶ月ほどで、担当者は自力でマスターデータを設定し、生産計画を作成できるようになりました。
特定の担当者に属人化することなく活用できる実感を得て、今後は他製品の生産ラインへの横展開を進めていく方針です。

※2 専任担当(カスタマーサクセス)によるサポートは、ベーシックプラン以上のお客様が対象となります。

結果まとめ

  • 工程ごとに分断されていた生産計画が一元管理できるようになり、生産ライン全体のスケジュールを把握できるように。
  • 生産の予測精度が上がったことで納期回答がしやすくなり、より早く、正確な受注可否の判断ができるように。
  • 納期遵守率が向上し、顧客からの信頼度・競争力強化が見込める。
  • 最適ワークスの「工程デザイナー」機能により、非エンジニアの現場担当者が自力でマスターデータを設定・変更できるようになった。これにより、外部ベンダー等に依存せず、いつでも現場環境に応じた生産計画の作成が可能に。

企業情報

紙加工品メーカー

紙加工品メーカー